札幌訪問(函館本線 [旭川-札幌] & 学園都市線)
序章
今回の札幌訪問は、今まで行ったことのなかった「函館本線 [札幌 – 旭川] 」と「学園都市線」を訪問しました。
夏、札幌へ行く度に「札幌への旅には序章がある」と思います。新千歳空港で機外に出るとひんやりとした空気に包まれます。この涼しい空気に触れると北海道に来たんだな、と感じます。そして新千歳線に乗り少し走り出すと、車窓には白樺が白い幹と緑の葉が通り過ぎてゆき、田園風景が広がります。そして汽笛の音。新千歳から札幌への1時間ばかりの小旅行はどこか不思議な世界へ誘ってくれるようです。これは福岡や仙台などの他の都市では感じられません。
函館本線 [旭川 – 札幌]
妻が美瑛の友人をレンタカーで訪問することになり、旭川まで連れて行ってもらい、旭川から札幌まで電車で帰ることにしました。
旭川で「はま寿司」でお寿司を食べてから旭川駅へ向かいました。「はま寿司」は東京にも多くある回転ずしですが、北海道で食べると断然美味しく感じます。これは本当に美味しいのでしょうか?それとも北海道だから美味しく感じるのでしょうか?恐らく食材が新鮮なので本当に美味しいのではないか、と私は考えています。札幌では東京にもあるチェーン店でさえ美味しく、食にはほとんど興味がない私でさえも北海道の食事は楽しみです。
旭川へは2-3度訪問したことがありますが、飛行機で来ることがほとんどで「旭川駅」へは初めて訪れました。旭川駅へ通じる道路、旭川駅とも非常に大きく新しいものです。さすが北海道第二の都市だけのことはあります。旭川駅に隣接して大きなイオンもあり利便性は高くなっています。ちなみに札幌にはイオンの大型店舗が圧倒的に多く札幌の人はイオンがなくなるとどのように生活するのかと感じることがあります。旭川にも大きなイオンがあるとなると、札幌以外であっても、北海道の小売りはイオンが重要なのかもしれません。
さて旭川から札幌に行く間に途中下車がしたかったので私は駅で相談しました。するとJR北海道では乗車券が101km以上の場合、自由に途中下車ができるシステムになっていました。旭川―札幌は2860円で各駅停車で行くと「旭川―滝川」「滝川―岩見沢」「岩見沢―札幌」と2回の乗り換えが必要となります。旭川駅7番線で滝川行に乗ると乗客はほんの2-3名程度/1車両です。午後早い列車ということもあったのでしょうが、これではJR北海道も頭を抱えることでしょう。函館本線は「函館ー小樽ー札幌ー旭川」を繋ぐ鉄道でJR千歳線等と共に数少ない採算の取れる列車だとは思いますが…でも、乗客としてはゆったりと電車に乗れ、大満足です。
[旭川ー滝川]
旭川で、最近河川に興味を持っていた私は、まず石狩川をチェック。石狩川は旭川の南東にある大雪山付近に源流があり、旭川市を通り函館本線の北側を主に流れ、札幌の北東の石狩市で日本海へ注ぐ河川です。「利根川」「信濃川」と並ぶ日本三大河川の一つ。後で述べる札幌中心部を流れる豊平川も石狩川の支流となります。
さて、滝川は函館本線でも重要な駅で、ここから「富良野ー帯広ー釧路ー根室」と繋がる根室本線が始まります。旭川から滝川へ向かうまでは徐々に繁華性が下がる、というより寂しい雰囲気に包まれてゆきます。特に滝川より一駅旭川寄りの「江部乙(えべおつ)」は寂しく魅力的でした。車窓から遥か彼方まで台地が広がり、その先には石狩川があるはずですが眺めることはできず、さらにその奥に山々が連なります。現実の世界とは思えず、どこか異次元へスリップしたのかと錯覚するような不思議な空間です。この雄大で異次元に誘うような魅力が北海道にはあります。滝川も重要な駅としてはかなり茫洋とした駅です。保険会社に勤めていた時、私の上司がここで支社長をやっていたとのことでしたが、この駅を見ていてもその現実の生活を想像するのは私には難しかったようです。
[滝川ー岩見沢]
滝川から岩見沢へ向かうと少しずづ人間の活気が戻ってきます。写真が多いため割愛しましたが、岩見沢の駅は立派なものです。岩見沢からは室蘭へ向かう室蘭本線が出ています。札幌の経済的な境界はこの岩見沢まで及んでいるのではないでしょうか。滝川から岩見沢までは農地を主体とした経済を感じますが、岩見沢からは少なくとも駅の傍には建物が建つ宅地が中心となってきます。
[岩見沢ー札幌]
岩見沢から暫くやや寂しげな街が続きますが、石狩川を越えた(札幌側に入った)「江別」からテンポを上げて繁華性が上昇します。江別市は札幌市に隣接する市です。江別駅の辺りは石狩川に千歳川が合流しています。合流地点は王子製紙の子会社があり特種製紙を製造しています。煙突からは煙が出ています!煙突から煙が出るのは当然のことですが、本当に長い間、私は煙突から煙が出ている光景を見ていませんでしたので、感動してしまいました。本当に日本の製造業大丈夫なのかな、とやや不安に見なりました。しかし工場らしいものはここまで。江別から厚別に至るまでの住宅街の成長がすごいです。
「高砂」を超えて「野幌(のっぽろ)」。妻から寂れた街と聞いていたのですが、とんでもない。高層のマンションや低層住宅が建ち並んでいます。やや高砂寄りには「イオン江別店」があり、この街の発展の裏付けとなっています。現在、札幌の新興住宅街として「森林公園ー江別」間は若い人たちに人気のエリアとなっているようです。従来、札幌の住宅街は小樽からの発展に伴い西側から発展してきましたが、野幌を目にして住宅地域の変化を感じました。ただし賃貸目的の投資エリアとしてはまだ早いと思います。次に「大麻(おおあさ)」を飛ばして「森林公園」。この駅の南には住宅展示場があり、そこから15分程度歩くと「野幌森林公園」があります。野幌森林公園は札幌市、江別市、北広島市の三市に跨る2053haの大規模公園です。公園内の8割が国有林という内容。そして入り口付近には「北海道百年記念塔」が建てられています。これは1970年に建てられた高さ100m、25階の記念塔で、8階まで登ると展望室があるようですが、現在は塔自体が立ち入り禁止となっています。それにしても異様な塔。これだけの塔なら有名になってもおかしくないのに、私も行くまで知りませんでした。札幌に行ったら野幌森林公園+北海道百年記念塔を是非ご覧ください。
その後「厚別」「白石」で途中下車した後、札幌に行きました。厚別や白石は従来からの街で投資用マンションが多くあります。中古の投資物件を求める際、一瞥しておくべきエリアといえるでしょう。札幌について駅を出る前に、切符の写真を撮りました。途中下車の際、改札口でその証として押してくださったスタンプがいっぱいでした。この切符、もらえないかと交渉しましたが、貰うことはできませんでした。残念。
学園都市線 [桑園 – 北海道医療大学]
「学園都市線」は札幌から桑園で函館本線から分かれて「北海道医療大学」駅までの鉄道です。ご存じの方も多いかと存じますが、2020年5月7日に北海道医療大学から滝川市付近の「新十津川」駅までの区間が不採算のため廃線となっています。この区間では「あいの里公園」までは30分に1本くらいはありますが、その先になると1時間に1本程度の運行となっています。
[札幌ー桑園ー八軒ー新川ー新琴似]
私は「桑園ー八軒ー新川ー新琴似」の区間を歩き、その後「あいの里公園」で途中下車、終点の「北海道医療大学」まで行きました。八軒、新川は札幌中心部に近く投資用マンションも多くありますが、鉄道の運行の関係で投資先と積極的に進められるエリアではありません。「新琴似(しんことに)」は札幌市営地下鉄南北線の始発駅「麻生(あさぶ)」と徒歩5分の関係で札幌における投資の重点エリアの一角となります。この駅の周辺はイオン札幌麻生店、東光ストア麻生店、ニトリ麻生店等店舗も多く南北線の始発でもあることから人気のエリアとなっています。東京から初めてここに足を踏み入れると、やや小さな町に思えるかもしれませんが、地方における投資はこのような場合も多くあります。
[太平ー百合が原ー篠路(しのろ)-拓北ーあいの里教育大ーあいの里公園]
新琴似より先、石狩川の手前で重要な駅は「あいの里教育大」駅でしょう。ここには高層マンションや医療機関もありこの辺りとしては大きな町となっています。次の「あいの里公園」については豊平川で述べます。
[石狩太美(いしかりふとみ)ー石狩当別ー北海道医療大学]
石狩川を渡ると、この辺りは原則田畑です。駅の周辺には町がありますが、田畑の中にある町、というイメージをいただいて頂ければと思います。更に終点「北海道医療大学」は本当に北海道医療大学があるだけ。地図をよく見ると、パン屋さんとセイコーマートがあるのですが、本当にそれだけです。後は田畑。私は北海道医療大学で降りて周りを見渡し、無数に飛ぶ赤とんぼを見ている以外、何にもすることがありませんでした。ボーとするとはこのようなことかと思いました。折り返しの列車が1時間後に発車するのを列車の中で待ち続ける時間となりました。
豊平川について
今まで「河川」を課題に6回の投稿をしてきました。そこで今回は札幌市の中央を流れる「豊平川」のリスクとリスクに対する対応について調べました。
豊平川は千歳市と札幌市の境界付近を源泉として札幌市の中央付近を流れ、札幌市東区と江別市の境界付近で石狩川に合流する河川です。比較的急流であり、札幌駅の近くでは標高で札幌駅より高い地域を流れるため、氾濫が危惧される河川です。
豊平川の河川管理者は「札幌河川事務所(国土交通省北海道開発局)」です。南北線澄川駅から豊平川のミュンヘン大橋を渡ったところにあります。ここで確認した範囲では、過去特に昭和56年の豪雨で石狩川が氾濫した際も豊平川は氾濫したことはなく、予想降雨量を超えない限りは氾濫リスクは低いということです。対策としては護岸は当然でしょうが、上流には「豊平峡ダム」と「定山渓ダム」の2つのダムが洪水調整に対応しています。他に砥山ダムと一の沢ダムがありますが、これらは北海道電力の発電用のダムとなっています。また豊平川と石狩川の合流する位置よりやや下に茨戸川及び石狩放水路が日本海側に開かれています。茨戸川は三日月湖となっています。これが旧石狩川ですが、今では石狩川が増水したときに茨戸川から石狩放水路を経由して排水され、石狩川の水位の上昇を抑え、これによって豊平川の水位も上昇が抑えられるシステムとなっています。また茨戸川と石狩川の合流付近に「あいの里公園」があります。この公園の池は調整池とされ非常時には石狩川の水流を引き込むことができます。
現在は降水量が激しい場合、想定を超えることも多くなっていることを考えると絶対に安全とは言えないかもしれませんが、豊平川に対する治水は信頼性が高いと私は考えるようになりました。