東京周辺の鉄道(7)日暮里・舎人ライナーと埼玉スタジアム線

 

日暮里・舎人ライナーと埼玉スタジアム線

日暮里・舎人ライナー

日暮里・舎人ライナーは2008年開業で日暮里から見沼代親水公園まで「尾久橋通り」の直上を走る、路線距離9.7kmのモノレール(正確には新都市交通)です。東京都交通局の運営ですので、埼玉県境手前の見沼代親水公園が最終駅となっています。日暮里・舎人ライナーは無人で運行されるため、先頭部分に座ると大変眺めが優れています。この近辺は東武伊勢崎線からも京浜東北線からも離れていたため、足立区・荒川区の通勤・通学を目的として設置されました。この地域は人口も多く、路線開業するとすぐにラッシュ時に満員となる盛況ぶりでその後も順調に乗降者数を増やしている路線です。日暮里・舎人ライナーの特性として日暮里から見沼代親水公園まで住宅地域を走るため、高層マンションが日暮里川がやや多くありますが、ほぼ全線で地域の雰囲気が大きく変わることはありません。特徴があるとすれば、荒川と舎人公園くらいでしょうか。

余談ですが、「東京都営」で駅が他県にあるのは、千葉県市川市にある東京都営新宿線の「本八幡」駅のみです。千葉県は千葉ニュータウンの開発にあたり、本八幡と「新鎌ヶ谷」を千葉県営鉄道により結ぶ路線を計画していましたがうまくゆきませんでした。この計画にリンクし都営新宿線は本八幡まで建築されたとのことです。

埼玉スタジアム線

埼玉スタジアム線の正式名称は「埼玉高速鉄道」ですが、愛称である埼玉スタジアム線が一般に使われています。2001年に開業し、東京メトロ南北線と赤羽岩淵駅で接続し赤羽岩淵ー浦和美園間の14.6kmを地下鉄として運行しています。運営会社である「埼玉高速鉄道株式会社」は埼玉県内部分(川口市、鳩ヶ谷市(現:川口市)、浦和市(現:さいたま市)の建設と運営を行う第三セクターとして1993年に設立されました。

埼玉スタジアム線も路線のない地域に計画されましたが、開業以来、乗降者数が想定を大幅に下回っていました。その理由は路線を歩いてみるとわかります。「赤羽~鳩ケ谷」までは北本通り・岩槻街道(国道122号)の下を走りますが、「荒井宿」で右に曲がり「戸塚安行」を過ぎるまで農地や林地も見られるような繁華性の低い地域を通過します。「東川口」は武蔵野線と交差し繁華性はある程度高いのですが、「浦和美園」には埼玉スタジアム・大きなイオンもありますが、今でも農地や林地、造成中の土地が多くみられ開業当時は十分な開発が行われていなかったことが想定されます。率直に言ってよくこの路線を通したものだと思います。現在では成果も実りつつあり、2013年から2018年の乗降者数は2割以上の大幅な上昇をしています。

埼玉高速鉄道には岩槻、蓮田に至る13kmの延伸計画があります。

日暮里・舎人ライナー 駅 所在 2013年乗降者数 2018年乗降者数 伸び率
NT-01 日暮里 荒川区 40840 53093 130.0%
NT-02 西日暮里 荒川区 21828 30249 138.6%
NT-03 赤土小学校前 荒川区 3883 5206 134.1%
NT-04 熊野前 荒川区 7434 9722 130.8%
NT-05 足立小台 足立区 3211 3931 122.4%
NT-06 扇大橋 足立区 6978 9874 141.5%
NT-07 高野 足立区 4498 6174 137.3%
NT-08 江北 足立区 7853 10503 133.7%
NT-09 西新井大師西 足立区 9337 11978 128.3%
NT-10 谷在家 足立区 7639 10532 137.9%
NT-11 舎人公園 足立区 3672 4561 124.2%
NT-12 舎人 足立区 6190 8513 137.5%
NT-13 見沼代親水公園 足立区 10161 13371 131.6%
埼玉スタジアム線 駅 所在 2013年乗降者数 2018年乗降者数 伸び率
SR 19 赤羽岩淵 東京都北区
SR 20 川口元郷 埼玉県川口市 16900 20400 120.7%
SR 21 南鳩ヶ谷 埼玉県川口市 12500 15900 127.2%
SR 22 鳩ケ谷 埼玉県川口市 18800 23200 123.4%
SR 23 荒井宿 埼玉県川口市 9500 11500 121.1%
SR 24 戸塚安行 埼玉県川口市 12800 16000 125.0%
SR 25 東川口 埼玉県川口市 26300 32400 123.2%
SR 26 浦和美園 埼玉県さいたま市緑区 11900 20600 173.1%

日暮里・舎人ライナーの駅

日暮里・舎人ライナーは上記の通り、駅ごとの地域の変化が少ない地域です。これはこの周辺が住宅地でマンション・戸建住宅が多く存するのみで特徴的な大型商業施設がないことに由来するのではないでしょうか。

日暮里

始発駅である日暮里ではJR山手線、JR京浜東北線、京成線が交差しています。日暮里・舎人ライナーの駅は山手線の外側にあります。同じ日暮里でも山手線の内側であれば、谷中周辺の情緒のある風景を特徴としますが、外側ではやや繁華性の高い商業地域ではあるものの大きな特徴はありません。

熊野前

東京さくらトラム(都営荒川線)と交差する駅です。この線では唯一の交差駅です。(路上電車ですが。)

舎人公園

舎人公園

日暮里・舎人ライナーで唯一、特徴のある駅といえるでしょう。水辺のある広場として地域住民の憩いの場となっている公園です。

見沼代親水公園

日暮里・舎人ライナーの終着駅。ここから少し先は埼玉県川口市になります。

埼玉スタジアム線の駅

埼玉スタジアム線は従来、鉄道路線のなかった鳩ケ谷市を通過します。

赤羽岩淵

赤羽岩淵は赤羽駅の北東方へ徒歩約10分くらいのところにあり、東京メトロ南北線との接続駅となります。荒川と隅田川の分岐する東京側にあり、付近には岩淵水門があります。また王子からくる北本通りと環状八号がぶつかり、北本通りは埼玉方面へ直角に曲がり埼玉に入ると岩槻街道となります。環状八号は赤羽岩淵の交差点で終了となります。この駅の周辺は商業地としては繁華性も高くはなく特徴も薄いのですが、河川と道路について特徴的な位置を占めています。

川口元郷(かわぐちもとごう)

川口元郷

川口市の超高層マンションが建つエリアです。駅の付近にはロータリーが設置され、広い空間が確保されています。超高層マンション以外は戸建住宅などもあり新旧入り乱れた住宅街となっています。

南鳩ケ谷・鳩ケ谷

旧鳩ケ谷市になります。岩槻街道に沿って埼玉スタジアム線も走ります。東京よりの南鳩ヶ谷は標高が低く鳩ケ谷へ向かうにつれて標高は上がってゆきます。南鳩ヶ谷は高層マンションも多くみられますが、鳩ケ谷に行くにつれ繁華性がやや落ちてきます。

荒井宿(あらいじゅく)・戸塚安行(とつかあんぎょう)

荒井宿駅周辺

埼玉スタジアム線は岩槻街道から東側に逸れて東川口に向かいます。荒井宿と戸塚安行は農地と隣地の多い地域にあります。乗降者数も少ないのですが、これは地域の特性を反映しています。

東川口

東川口はJR武蔵野線との乗換駅となっています。このため戸塚安行から東川口に向かうと、東川口周辺は埼玉県内の路線上で最も繁華性の高い地域になっています。

浦和美園(うらわみその)

埼玉スタジアム

現在の終点、浦和美園は現在でも農地や林地が一般に見られる地域ですので、開通前は寂しい地域であったのではないかと思います。しかし浦和美園から徒歩15分程度のところに本路線の名前の由来でもある「埼玉スタジアム」があります。現在では駅からも遠くポツンとある感じですが、周囲には宅地造成中のところもあり、この周辺では開発が急ピッチで進んでいることが伺えます。また浦和美園駅南東には大型の「イオンモール浦和美園」があります。敷地面積119,484㎡、延床面積98,282㎡、店舗面積87,223㎡、店舗数170店という規模で川口北部やさいたま市南東部の需要を広く得ていると思われます。子供が生まれたばかりの世帯で家を探されている場合はこの近辺に求めるのは良策かもしれません。(浦和レッズファンなら特に)ただし、将来、美園浦和駅は「始発」でなくなる可能性がありますが…

 

 

 

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